竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
「だから私、自分が邪魔な存在っていうのに慣れてるんです」
一緒にいるのにどこにも属していない寂しさは、一人でいるよりも孤独だった。どんなに同じ場所で楽しそうに笑う人たちがいても、私のまわりに透明な壁があるみたいで、決してそこに混ざることはできない。
「だから成長するにつれ、家族が欲しいなって思ったんです。私だけの家族が……」
安易な考えかもしれないけど、自分の居場所がほしかった。でも今から考えると、子供のことばかりで、夫になる人のイメージがまったく無かったけど。
「それで、まず子供たちの世話ができれば、良いお母さんになれるんじゃないかな? と保育の勉強を始めたんですけど。両親が残した遺産を、伯父に使い込まれてしまって。それで学校に入るために働いていたのですが……」
『そのまま、仕事中に、この世界に飛ばされたってわけか』
「はい……」