婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される
「座れそうですね。ちなみに人間のエドワード様を触ることができるか試してみても?」
魔術の実験をしている気分で気楽に聞いたのに、エドワード様は目を見開いて驚いている。
「え? サラが僕に? そ、それはちょっと心の準備が!」
「実験に心の準備なんて必要ないでしょう」
なんだかわからないけどさっきと立場が逆転して私の方が落ち着いて、エドワード様が慌てている。気にせずズンズンと近づいて、エドワード様の手を握る。
しかし握ったつもりなのに、手がスカっとすり抜けてしまった。
「人間は触れないようですね。命が無い物同士なら触れるのかも」
そう言ってエドワード様を見上げると、苦しそうに顔を歪めている。そんな泣きそうな顔しないでほしい。私達は死ぬ前も、エスコートの時しか繋がなかったじゃないの。
2人ともがしゅんとした雰囲気になってしまった。それでもエドワード様が死んだ後の出来事を話し始めると、ショックの連続でそんな切ない気持ちは吹き飛んでしまうのだった。
魔術の実験をしている気分で気楽に聞いたのに、エドワード様は目を見開いて驚いている。
「え? サラが僕に? そ、それはちょっと心の準備が!」
「実験に心の準備なんて必要ないでしょう」
なんだかわからないけどさっきと立場が逆転して私の方が落ち着いて、エドワード様が慌てている。気にせずズンズンと近づいて、エドワード様の手を握る。
しかし握ったつもりなのに、手がスカっとすり抜けてしまった。
「人間は触れないようですね。命が無い物同士なら触れるのかも」
そう言ってエドワード様を見上げると、苦しそうに顔を歪めている。そんな泣きそうな顔しないでほしい。私達は死ぬ前も、エスコートの時しか繋がなかったじゃないの。
2人ともがしゅんとした雰囲気になってしまった。それでもエドワード様が死んだ後の出来事を話し始めると、ショックの連続でそんな切ない気持ちは吹き飛んでしまうのだった。