婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される
「もちろん最初オルレアン伯爵は魔石を譲らなかったし、顔も見たくないと言われたよ。当然だ。しかし君が死んで10年経った頃だろうか。僕が爵位を剥奪されこの部屋に幽閉された頃、オルレアン伯爵が手紙と一緒に魔石を送ってくれてね」
エドワード様が何気ないふうに話すから聞き流してしまいそうだったが、「爵位を剥奪」と「幽閉」の言葉にギョッとして話を止める。
「ちょっと待ってください!爵位を剥奪されて、ここに幽閉されているのですか?」
「ああ、恥ずかしいことだが君がなんとか僕のもとに戻ってこないかと魔術の研究ばかりして、王族としての努めを果たしていなかったんだ。それでまあ、いわゆる、僕が狂ってしまったのだろうということでここに入れられたんだ」
そんな……さっきは他人に被害が無くて良かったと安心していたところだったのに、まさかエドワード様が爵位剥奪のうえ幽閉されていたなんて。私があんな馬鹿なことをしたせいだ。
謝ることさえ白々しく聞こえそうで、言葉が出てこない。そんな沈んだ私を気づかせるため、エドワード様がテーブルを指でトントンと叩いた。
「それでも今は君の魂を呼び戻すことにして良かったと思う」
「そんなわけありません!」
「違うんだ。君はあのままだったら、生まれ変わることができなかったと思う」
「え?」
エドワード様が何気ないふうに話すから聞き流してしまいそうだったが、「爵位を剥奪」と「幽閉」の言葉にギョッとして話を止める。
「ちょっと待ってください!爵位を剥奪されて、ここに幽閉されているのですか?」
「ああ、恥ずかしいことだが君がなんとか僕のもとに戻ってこないかと魔術の研究ばかりして、王族としての努めを果たしていなかったんだ。それでまあ、いわゆる、僕が狂ってしまったのだろうということでここに入れられたんだ」
そんな……さっきは他人に被害が無くて良かったと安心していたところだったのに、まさかエドワード様が爵位剥奪のうえ幽閉されていたなんて。私があんな馬鹿なことをしたせいだ。
謝ることさえ白々しく聞こえそうで、言葉が出てこない。そんな沈んだ私を気づかせるため、エドワード様がテーブルを指でトントンと叩いた。
「それでも今は君の魂を呼び戻すことにして良かったと思う」
「そんなわけありません!」
「違うんだ。君はあのままだったら、生まれ変わることができなかったと思う」
「え?」