婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される
「私も子供でした! いつも癇癪起こしてエドワード様にご機嫌取ってもらって、それで甘えていたんです。妃教育だって真剣にやってなかった」
本当に子供だった。もちろん年齢もあるだろうけど、王妃になろうとする者があれではダメだ。それなのに私は泣いて帰って、あんな馬鹿な事して……でも正直な気持ちは伝えなきゃ! せっかくまた会えたのに、誤解されたままなんて嫌だ。
「それに! 私はエドと結婚できるなら、魔術だって我慢して妃教育を頑張ってた!」
エドの事が好きだったと伝えたかったけど、これが私のせいいっぱいだ。しょうがないよ。だって私15歳で止まってるんだもん。きっと生きていたら、顔は苺のように真っ赤だったことだろう。
ドキドキしてエドの顔を見ると、ポカンとしてこちらを見ている。何か言ってくれないかなと思っていると、予想外の言葉が返ってきた。
「サラ、僕、君とキスがしたい」