婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される

「そんなに心配しないで。魔術自体に失敗があったわけじゃないんだ。絶対とは言い切れないけど、今回の魔術で僕の魂と君の魂がくっついたのではないか?と考えている」
「くっつく…?そうするとどうなるの?」


 いつの間にか私の口調がくだけているのに気づいて、エドは少し嬉しそうにしている。


「次に生まれ変われるとしたら、僕達は同じ時代になると思ってる」
「同じ時代に生まれ変わる……」
「今回あの魔石と魔法陣に僕の血を混ぜて、僕の魔力で君の魂を引っ張って引き離したつもりなんだよ」
「つもり?」


 エドは苦笑いしながら、説明を続ける。


「それが今まで何回やっても失敗してたから、今回成功したのは魔力じゃなくて魂同士がくっついた事で引っ張り上げれたのかな?と思ったんだ」


 魔力と魂はもともとくっついているから、引っ張る際に魂同士もくっついたかもしれないという事か……


 う〜ん。30年研究したとはいえ、すごい魔術だわ。頭がおかしくなりそう。でもエドは生まれ変わる時と言ったけど、私はいつ生まれ変わるんだろう?


「ねえ、1つ質問なんだけど、私はずっとこのまま?いつ生まれ変わるの?」

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