婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される


「そうか、サラは前の祭りの時は2才だったから、知らないのか。この苺は王都の大通りでやる、苺祭りで使うんだ」
「苺祭り? すごい! お祭りあるの? 行きたい!」
「3年に1度やるお祭りでな。苺を使ったお菓子やジュースはもちろん、苺柄の服や小物もあるぞ」



 そう言うとサラの目はキラキラと輝き、「絶対行く!」とまた俺の足にぎゅっとしがみつく。サラに可愛い苺柄のワンピースでも着せれば、さぞかし可愛いだろう。そんな事を想像していると、サラが質問してきた。



「他にも果物のお祭りある?」
「いや、この苺祭りは特別なんだよ」
「とくべつ……?」


 この祭りのきっかけを話すか迷ったが、もうすぐ学校にも通うようになると習う事だし簡単に説明することにした。


「この祭りはな、昔悪い国の王様がこの国を攻めてきて……」
「せめてきて?」
「戦争を…」


 う〜ん、どうやって説明しようか? 困っていると店の奥から、ひょいっと「アイツ」が顔を出した。



「王子様と女の子が、この国を救ったんだよ!」
「エドワード!」

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