婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される
初めてはふれあえないキスだった。2度目は私からした苦しいキス。ようやくエドと本当のキスができるんだね。
エドの手が私の手を優しくつつみこむ。私達は少し照れながら見つめ合い、一歩前に踏み出した。エドの顔が近づくのを感じ、私はそっと目を閉じる。
優しくふれたエドの温かさは、私の体に伝わり心まで届く。体中がエドへの愛しさでいっぱいになった。
私はゆっくり目を開けると、エドの目をじっと見つめる。エドは幸せいっぱいの顔で微笑んだあと、目を見開き私をくいいるように見始めた。
「サラ……サラ!?」
「そう、サラよ?」
私はにっこりとエドに笑いかける。
「うわ――!! サラじゃないか!!」
エドはガバっと私の腰を抱き上げ持ち上げた。あまりに高く抱き上げるので、足が床につかない。
「きゃあ! エド!」
「サラ……!」
集まった友人や家族を横目で見ると、何が起こったのかわからずポカンとしている。そりゃあ、そうよね。私とエドしか今の状況はわからないんだもの。
「本当にサラなんだね?」
「本当だよ」