若旦那様の憂鬱
少しの間の後、
「…そう、ですか。
それでも……
わざわざ来てくれてありがとう。」
前嶋さんは残念そうな顔をしながらも笑顔で答えてくれる。
私は申し訳なくて、なんだか罪悪感も感じてしまう。
「実は僕、前に一度貴方に会っているんです。覚えて無いと思いますけど…。」
前嶋さんがそう言って、
一本のボールペンを机に置く。
えっ、これは何?
いつ?どこで会ってる?
全然、ピンと来なくて首を傾げる。
前嶋さんは苦笑いをしながら話を続ける。
「年末に一橋旅館にご挨拶に伺ったのですが、その時このペンを落としてしまって、
貴方が拾って、わざわざ走って追いかけて来てくれたんです。覚えてませんか?」
「…そう、ですか。
それでも……
わざわざ来てくれてありがとう。」
前嶋さんは残念そうな顔をしながらも笑顔で答えてくれる。
私は申し訳なくて、なんだか罪悪感も感じてしまう。
「実は僕、前に一度貴方に会っているんです。覚えて無いと思いますけど…。」
前嶋さんがそう言って、
一本のボールペンを机に置く。
えっ、これは何?
いつ?どこで会ってる?
全然、ピンと来なくて首を傾げる。
前嶋さんは苦笑いをしながら話を続ける。
「年末に一橋旅館にご挨拶に伺ったのですが、その時このペンを落としてしまって、
貴方が拾って、わざわざ走って追いかけて来てくれたんです。覚えてませんか?」