若旦那様の憂鬱
「そんなの、仲居の仕事なんてもっと危なくてさせられない。」

「えっ?何で?」

「仲居をコンパニオンだと思ってる客だっているし、セクハラまがいの事だって過去にはあったから、うちは30歳以上しか採用しない事にしてる。」

仲居さんって大変なんだ…。

「そんな大変な仕事なんだ…。」

「大変じゃない仕事なんてないかもしれないけど、花には辛い思いを出来るだけして欲しく無い。」

車に到着して、柊生が助手席のドアを開けてくれる。

「お母さんも、嫌な思いとかした事あるのかなぁ…。」

「…そうなるから、あまり花には話したくなかったんだ。女将さんに聞いてみるといい。」

うん。と花は頷きながら、柊君も今まで大変な事とかあったのかなぁと思う。
< 142 / 336 >

この作品をシェア

pagetop