若旦那様の憂鬱
車を走らせながら柊生が言う。
「このまま帰るのも勿体無いな。せっかく花を親の目、気にせずに連れ出せてるのに。」
うん?
私、お見合いの帰りだったよね?
あんまり遅いと、お見合いが上手く言ったと思われちゃうんじゃないかなぁと、心配になる。
「今日はお見合いの帰りだし、あんまり遅く帰ると心配させちゃうから、帰らなきゃ。」
「優等生だな。」
ハハッと柊生が笑う。
「柊君が1番門限に厳しかったはずだよ?」
そもそも門限を決めたのって柊君じゃなかった?
「確かに…彼氏としては10時の門限は早すぎるな。」
兄の柊君と、彼氏の柊君が、柊君の中で戦ってるみたいだと思うと、可笑しくて花は笑ってしまう。
「もう、成人式も終わった事だし、門限は12時にするか?」
「柊君と一緒にいるんだから、この場合は門限は関係ないんじゃない?」
「そうか…じゃあ。女将さんにメールして、俺といるから門限過ぎても心配ないって。」
うん。と頷き、母にメールを入れる。
直ぐに既読になり電話が鳴る。
「もしもし、お母さん。」
『花、お見合いはどうだったの?』
「うん…申し訳ないけどお断りしたよ。
私には勿体無いくらいの人だったし、私じゃ無くてもきっとモテそうだから、直ぐに素敵な人が見つかるよ。前嶋さんから連絡あった?」
『そうね。こちらからお電話しておこうかしら。
柊生君と美味しい物でも食べたの?気を付けて帰っておいで。』
「うん。気にしないで早く寝ててね。」
『でも、良かったわね。柊生君と仲直りしたの?』
「ケンカしてた訳じゃないから…。」
『柊生君、隣にいるの?ちょっと電話代われる?』
「今、運転中なの。」
そう言って、柊生を見ると、
「花、ハンズフリーにして喋るから。」
と、言うので、
「ちょっと待ってね。今フリーにするから。」
「お疲れ様です。柊生です。
丁度、帰りだったので迎えに来たんですけど。
ちょっと遠出して食事をしたので、10時に間に合わないと思うんです。すいませんけど遅くなります。」
『柊生君とだったら大丈夫よ。
花も20歳過ぎたんだし、門限無くしてもいいんじゃないかしら。』
「そうですね、僕らもさっきそう話してたんです。」
ふふふっと母の笑い声が聞こえる。
『正俊さんは不服そうな顔してるわ。じゃあね、気を付けて帰って来てね。先に寝てるわね、花おやすみ。』
「うん、おやすみ。」
「このまま帰るのも勿体無いな。せっかく花を親の目、気にせずに連れ出せてるのに。」
うん?
私、お見合いの帰りだったよね?
あんまり遅いと、お見合いが上手く言ったと思われちゃうんじゃないかなぁと、心配になる。
「今日はお見合いの帰りだし、あんまり遅く帰ると心配させちゃうから、帰らなきゃ。」
「優等生だな。」
ハハッと柊生が笑う。
「柊君が1番門限に厳しかったはずだよ?」
そもそも門限を決めたのって柊君じゃなかった?
「確かに…彼氏としては10時の門限は早すぎるな。」
兄の柊君と、彼氏の柊君が、柊君の中で戦ってるみたいだと思うと、可笑しくて花は笑ってしまう。
「もう、成人式も終わった事だし、門限は12時にするか?」
「柊君と一緒にいるんだから、この場合は門限は関係ないんじゃない?」
「そうか…じゃあ。女将さんにメールして、俺といるから門限過ぎても心配ないって。」
うん。と頷き、母にメールを入れる。
直ぐに既読になり電話が鳴る。
「もしもし、お母さん。」
『花、お見合いはどうだったの?』
「うん…申し訳ないけどお断りしたよ。
私には勿体無いくらいの人だったし、私じゃ無くてもきっとモテそうだから、直ぐに素敵な人が見つかるよ。前嶋さんから連絡あった?」
『そうね。こちらからお電話しておこうかしら。
柊生君と美味しい物でも食べたの?気を付けて帰っておいで。』
「うん。気にしないで早く寝ててね。」
『でも、良かったわね。柊生君と仲直りしたの?』
「ケンカしてた訳じゃないから…。」
『柊生君、隣にいるの?ちょっと電話代われる?』
「今、運転中なの。」
そう言って、柊生を見ると、
「花、ハンズフリーにして喋るから。」
と、言うので、
「ちょっと待ってね。今フリーにするから。」
「お疲れ様です。柊生です。
丁度、帰りだったので迎えに来たんですけど。
ちょっと遠出して食事をしたので、10時に間に合わないと思うんです。すいませんけど遅くなります。」
『柊生君とだったら大丈夫よ。
花も20歳過ぎたんだし、門限無くしてもいいんじゃないかしら。』
「そうですね、僕らもさっきそう話してたんです。」
ふふふっと母の笑い声が聞こえる。
『正俊さんは不服そうな顔してるわ。じゃあね、気を付けて帰って来てね。先に寝てるわね、花おやすみ。』
「うん、おやすみ。」