若旦那様の憂鬱
駅前のパン屋でパンを買い、
家に戻りシャワーを浴びる。
買ったパンを軽く食べ、車に乗って出勤する。

片道10分ぐらいの道のりで今となっては買って良かったと思っている。

この先、花と暮らすにしても間取りは充分あるし、防犯については申し分無い。

買った当初は花をあの部屋に招くなんて事は、夢のまた夢だった。

昨日の花の様子を思い出して、思わず微笑みが溢れる。

そう言えば、
昨夜の電話の、わらしべ長者は最後どうなったんだっけ?

そう思い、駐車場に着いて花にメールを入れる。

『おはよう。昨夜はびっくりするほどよく寝れた。ありがとう。花はちゃんと寝られたか?
ところでわらしべ長者ってあの後どうなったんだ?』

7時ちょっと前、
花はもう起きているだろうか?
あの後、花もちゃんと寝れていればいいが…。
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