若旦那様の憂鬱
「そうか…。それだったらその方が良いね。」
親父も嬉しそうにそう言う。
これで戸籍の方は何ら問題無く、結婚できる事が分かった。
ただ、怖いのはいつかこの男が花達を探し出して接触して来る事だ。
「ちょっとお聞きしたいのですが、もし、この男がまた花達に接触して来た時、どう対応すべきでしょうか?
何か法的な方法でその前に止める事はできないのですか?」
良い機会なので聞いてみる。
「現在進行形で、暴力を振るわれている事がない限り警察は動きません。
過去にもし何らかの訴えがあって、警察が入っていればストーカー規制法で裁く事は可能ですが、17年以上前には、まだこの法律はありませんでした。」
「では、今後もし接触して来た場合はどうすれば?」
女将も乗り出し真剣な顔で聞く。
「証拠を撮るようにして下さい。
ボイスレコーダーやスマホを使って撮ってください。
暴力を振るわれた時は、病院からの証明書やケガの写真を残して下さい。
それを持って警察に行けば、何らかの対応をしてもらえます。」
出来れば接触がある前に止めたいのだが、どうしようも無さそうだ。
「分かりました。いろいろありがとうございます。」
結局、前もって防止できないのであれば不安は拭えそうもないな…。
こちらからこの男の近況を調べれば、少しは不安が拭えるのでは無いか?
ふと、そう思う。
2人に既に関心が無いのであれば、それに越した事はない。
そう思い、ふと時計を見ると与えられた休み時間の五分前だった。
「すいません。僕は仕事に戻らなければいけないので、またご相談にのって頂きたいと思います。」
そう言って立ち上がり、名刺を渡す。
会堂弁護士からも
「いつでもお電話ください。」
と、にこやかに笑って名刺を頂いた。
俺は、急いで旅館に戻る。
昼飯は食べれなかったが、思わぬ収穫は得られたから良しとしよう。
ただ、花にとっては辛い報告になる…。
今まで家族だったと思っていたのに、書面上は違ったとなると…どれだけのショックなのだろうか……。
花の気持ちを慮る。
妹を好きになってしまった後ろめたさからか、不覚にもそうでは無かったとホッとしてしまったが……。
泣くだろうな……。
そう思うと心が痛い。
しかもずっと逃げ続けてきた男の籍に自分だけまだ入っているとなれば…辛いな……。
せめてその時は側にいたい。
親父も嬉しそうにそう言う。
これで戸籍の方は何ら問題無く、結婚できる事が分かった。
ただ、怖いのはいつかこの男が花達を探し出して接触して来る事だ。
「ちょっとお聞きしたいのですが、もし、この男がまた花達に接触して来た時、どう対応すべきでしょうか?
何か法的な方法でその前に止める事はできないのですか?」
良い機会なので聞いてみる。
「現在進行形で、暴力を振るわれている事がない限り警察は動きません。
過去にもし何らかの訴えがあって、警察が入っていればストーカー規制法で裁く事は可能ですが、17年以上前には、まだこの法律はありませんでした。」
「では、今後もし接触して来た場合はどうすれば?」
女将も乗り出し真剣な顔で聞く。
「証拠を撮るようにして下さい。
ボイスレコーダーやスマホを使って撮ってください。
暴力を振るわれた時は、病院からの証明書やケガの写真を残して下さい。
それを持って警察に行けば、何らかの対応をしてもらえます。」
出来れば接触がある前に止めたいのだが、どうしようも無さそうだ。
「分かりました。いろいろありがとうございます。」
結局、前もって防止できないのであれば不安は拭えそうもないな…。
こちらからこの男の近況を調べれば、少しは不安が拭えるのでは無いか?
ふと、そう思う。
2人に既に関心が無いのであれば、それに越した事はない。
そう思い、ふと時計を見ると与えられた休み時間の五分前だった。
「すいません。僕は仕事に戻らなければいけないので、またご相談にのって頂きたいと思います。」
そう言って立ち上がり、名刺を渡す。
会堂弁護士からも
「いつでもお電話ください。」
と、にこやかに笑って名刺を頂いた。
俺は、急いで旅館に戻る。
昼飯は食べれなかったが、思わぬ収穫は得られたから良しとしよう。
ただ、花にとっては辛い報告になる…。
今まで家族だったと思っていたのに、書面上は違ったとなると…どれだけのショックなのだろうか……。
花の気持ちを慮る。
妹を好きになってしまった後ろめたさからか、不覚にもそうでは無かったとホッとしてしまったが……。
泣くだろうな……。
そう思うと心が痛い。
しかもずっと逃げ続けてきた男の籍に自分だけまだ入っているとなれば…辛いな……。
せめてその時は側にいたい。