若旦那様の憂鬱

兄妹の在り方

「おはよ…」
休日はいつも昼過ぎまで起きて来ない康生が珍しく起きて来た。

「おはよう。珍しいね、休日に康君がこんなに早く起きるなんて。」

「昨日、兄貴から花がバイトに行かないように見張ってろって言われたからさぁ。」

「大丈夫だよ。さっきバイト先に連絡入れたから。」
花は笑う。

「柊君が作ってくれた朝食、食べる?」
花は立ち上がり、お味噌汁を注ごうとする。

「いい、自分でやるから座って食べてな。」
えっ?とびっくりする。

柊生が言う事に従っている康生が珍しくて、どうしちゃったのだろうと思う。

「なんだよ…、その顔は。
俺だって、花には今まで家事を任せっきりにして、悪い事したなって思ってるんだ。」

お味噌汁とご飯を自分で用意して、おかずもレンジで温める康生を、信じられない顔で花は見る。

「康君ってレンジ使えたんだね。」

「馬鹿にするなよ、そのくらい出来るし。」
ムッとした顔で康生が言う。 
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