若旦那様の憂鬱
「お待たせしました。」
花が居間に行くと柊生が紋付袴を着て既に待っていた。
さすが若旦那様と思う出立ちで、つい見惚れてしまう。
柊生も花の佇まいに一瞬で目を奪われ、
しばらく2人見つめ合って止まってしまう。
「はいはい。
さぁ、早くいってらっしゃいな。」
間を割って入った母が、
笑いながら2人の視界を塞ぎ、我に返らせる。
「…行って来ます。」
と、柊生に促され花は玄関を出る。
外は寒いが、良い天気で雪も溶けて無くなっている。
それでも花が、慣れない草履に転ばないかと
心配した柊生は花の手を握る。
「ありがとう、柊君。」
花が微笑み柊生を見る。
「花、どうしよう。
このまま、どこかに連れ去りたいんだけど…」
目を合わせてふふっと、花が笑う。
「そんなにお祖母様って怖いの?」
「花から見たら、普通のお祖母様かもしれないけど、俺達から見たらただの鬼だ。」
えっ⁉︎っと花が柊生を二度見する。
「鬼⁉︎って……。」
柊生はため息混じりに苦笑いをして、
「終わったら、せっかくだから近くのお宮で参拝して帰ろうか。」
「はい。」
にこりと笑う花が可愛過ぎて、
柊生は抱きしめたい衝動に駆られる。
花が居間に行くと柊生が紋付袴を着て既に待っていた。
さすが若旦那様と思う出立ちで、つい見惚れてしまう。
柊生も花の佇まいに一瞬で目を奪われ、
しばらく2人見つめ合って止まってしまう。
「はいはい。
さぁ、早くいってらっしゃいな。」
間を割って入った母が、
笑いながら2人の視界を塞ぎ、我に返らせる。
「…行って来ます。」
と、柊生に促され花は玄関を出る。
外は寒いが、良い天気で雪も溶けて無くなっている。
それでも花が、慣れない草履に転ばないかと
心配した柊生は花の手を握る。
「ありがとう、柊君。」
花が微笑み柊生を見る。
「花、どうしよう。
このまま、どこかに連れ去りたいんだけど…」
目を合わせてふふっと、花が笑う。
「そんなにお祖母様って怖いの?」
「花から見たら、普通のお祖母様かもしれないけど、俺達から見たらただの鬼だ。」
えっ⁉︎っと花が柊生を二度見する。
「鬼⁉︎って……。」
柊生はため息混じりに苦笑いをして、
「終わったら、せっかくだから近くのお宮で参拝して帰ろうか。」
「はい。」
にこりと笑う花が可愛過ぎて、
柊生は抱きしめたい衝動に駆られる。