若旦那様の憂鬱
「ちょっと座布団の位置、離れ過ぎてないか?」
柊生がそう言って、少しずつ自分の座布団を花に近付ける。
「お祖母様に怒られちゃうよ。」
花は小声でそう言って、柊生を嗜める。
「ちょっとぐらい分からないだろ。」
付き合い始めてから柊生はちょっとずつ、子供っぽい顔を見せてくれる。
花から見たら完璧な大人の柊生が、たまに垣間見せるこの可愛い子犬のような雰囲気が、最近の花のお気に入りだ。
ふふっと笑って花も少しだけ、座布団をずらして柊生に近付く。
そのタイミングで、襖がスーッと開く。
慌てて2人は座布団に座り、背筋を伸ばし姿勢を正す。
「いらっしゃい。
2人とも、今日はどうしたのかしら。
大事な話ってお電話で言っていたけれど、どう言う事?」
そう言って、2人の前に置かれた座布団に祖母は座る。
柊生がそう言って、少しずつ自分の座布団を花に近付ける。
「お祖母様に怒られちゃうよ。」
花は小声でそう言って、柊生を嗜める。
「ちょっとぐらい分からないだろ。」
付き合い始めてから柊生はちょっとずつ、子供っぽい顔を見せてくれる。
花から見たら完璧な大人の柊生が、たまに垣間見せるこの可愛い子犬のような雰囲気が、最近の花のお気に入りだ。
ふふっと笑って花も少しだけ、座布団をずらして柊生に近付く。
そのタイミングで、襖がスーッと開く。
慌てて2人は座布団に座り、背筋を伸ばし姿勢を正す。
「いらっしゃい。
2人とも、今日はどうしたのかしら。
大事な話ってお電話で言っていたけれど、どう言う事?」
そう言って、2人の前に置かれた座布団に祖母は座る。