若旦那様の憂鬱

突然の入籍

「次の大安はいつ?待っていたら遅くなってしまうわよ。要は急げよ。今からお役所に行ってらっしゃい。」

「今からですか⁉︎」
さすがに柊生も驚きを隠せない。

「良いわよね、花ちゃん。」

花もびっくりするが、この流れは逆らえないと思います。

「はい。」
と頷く。

柊生は思わず花の顔を見る。
うんうんと花は首を立てに振って答えてくる。何故か少し楽しそうに見える。

花はやっぱり土壇場で肝が座る。
そう思って苦笑いしながら柊生は立ち上がる。

「紋付袴で宜しかったら、今から市役所に行って来ます。」
柊生がそう言う。

「ちょっとお待ちなさい。さすがにその格好では目立つわね。森さんにお願いしましょう。」
そう言って、襖をに手をかけ出ようとする柊生を止める。
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