若旦那様の憂鬱

夕飯は定食屋さんの丼物をオーダーして、花は親子丼、柊生はカツ丼をお互いシェアしながら食べた。

柊生は思う。

時計を見ると8時を回っている。
今日は早めに帰さないと、親に何を勘ぐられるか分からない。

始めて自宅に花が来た日は、夢なのかと思うぐらいだったのに…。

今では花が居ない部屋かは物寂しくて、これまでどうやって1人で過ごしていたのかと思うほど、この部屋には何も無いと思ってしまった。

今日、花が選んで買った小物に囲まれて、少し華やいだ部屋で彼女の事を思いながら、過ごす日々は後どのくらい続くのだろうか?

出来れば早いうちに一緒に暮らせれば嬉しいが、今の花にとってそれが最善かどうかは分からない。
事を急ぎ過ぎてはいけないと気持ちを抑え込む。
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