若旦那様の憂鬱
第二章 夫婦の在り方

審査員の在り方(柊生side)

そんなバタバタな感じで入籍を済まし、花と柊生は夫婦になった。

あれから1ヶ月、 2人の関係は良好で何の問題も無く仲良く過ごしている。

だけど現実は何も変わらず…。

花は実家暮らしをしながら、たまに柊生の為にと夕飯を作りにマンションを訪れるくらいで、まだ2人は清い関係のまま進展しない。

なぜなら、旅館は春先を迎え花見で訪れる観光客も徐々に増え、結婚式やイベントで土日休みが難しい季節になってきた。

それに加えて、週末は町内会のイベントの手伝いで駆り出され、2人で過ごす時間はほぼ数時間しか無い日々を送っているからだった。

開催するミス温泉美人コンテストも応募者が決まり、花の友達の詩織ももちろん参加する事になった。

花も商店街会長から、直々にオファーを受けボランティアとして会場運営に携わる事になって、柊生と共に忙しくしている。

今日は第二次審査の日。

書類審査を通過した50名から、本審査に進める15名を絞る為の選考会が行われる。
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