若旦那様の憂鬱
席に戻ると、花がパッと顔を上げて心配そうに柊生を見る。

「大丈夫だった?ケンカしなかった?」

「康生じゃ無いんだから、売られたケンカはそう易々と買わない。」
ニコッと笑って、花の頭をポンポンと撫ぜる。

「ココア、ありがとう。柊君もサンドイッチ食べて。」
花は先に注文しておいたサンドイッチを柊生に差し出す。

「今夜は当直なんでしょ?
大事な休憩に来てくれてありがとう。
お腹空いちゃうから、とりあえず食べて。
時間無くなっちゃう。」
心配そうな顔をする。

「ありがとう。
花は?夕飯は作ってあるのか?」

「帰ったら作るから大丈夫。」

柊生はものの五分でサンドイッチを食べ切って2人揃って店を出る。

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