若旦那様の憂鬱
何でご主人様?

っと思いながら花はお風呂に浸かる。

お花の香りの入浴剤だ…、良い香り。

柊生の優しさに包まれながら花はのんびりお風呂を堪能する。

こんな明るい昼間からお風呂に入るなんて初めてだなぁ……。
なんて贅沢な時間なんだろう。

世の中の正解か不正解かは分からないけど…
まぁいっかと、花は思う。

柊君の優しさは、
兄の時でさえ大袈裟なほどやり過ぎる感があったし、

旦那様になってもそれは変わらず過剰な程だけど、愛されている証だし仕方がない。

ゆっくり温まってから出ると、
いつの間にかちゃんと新しい下着と服が用意されていた。

しかも、見た事の無い部屋着だったから
びっくりする。

洋服はともかく
……下着まで…柊君が買ったの⁉︎

白にピンクの花柄が可愛い上下の下着は、
ピッタリ花に合っていて…尚驚く。

何でサイズまで分かるんだろう……。

洗面所のドアを開けると、廊下でまた柊生が待っていてびっくりする。

「わぁっ⁉︎びっくりした…ずっと待ってたの?」

「ちょっと遅いなと思って…心配した。」
抱き上げられてダイニングに連れて行かれる。

柊生は花を椅子に座らせて、昨日の膝の怪我に湿布を貼る。

「まだ、腫れてるな。
痛かったら痛み止め我慢しないで飲めよ。」

昨日より紫色が濃くなって、
醜い色になってしまった膝に柊生はキスをする。
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