若旦那様の憂鬱
「もう、だ、大丈夫だよ。
それより、この服どうしたの?」

「ネットで買った。花に似合うと思って。」
当たり前のようにそう言う。

「し、下着も?」

「ああ、気に入らなかったか?」
心配そうに花の顔を伺い見る。

「か、可愛かったけど…だって
…サイズとか何で分かったの……?」
恥ずかしくて声が小さくなってしまう。

「ああ、ギュッと抱きしめると何となく…
分かるだろ。」

「えっ……?」

「はっ?変な目で見るなよ……、
何となく分かるだろそれくらい。
それより、温かいうちに食べろよ。」

机を見れば、炒飯を作ってくれたようで、
スープまで添えられている。

「い、いただきます…。」

花は、腑に落ちないながら…深く考えるのはもう辞めようと開き直る。

きっと…
今までの経験豊富な柊君の恋愛偏差値が高すぎて、初心者の私には到底理解出来そうも無い…。

「美味しい。」

そう花が笑うから、柊生も嬉しそうに笑って食べ始める。
< 281 / 336 >

この作品をシェア

pagetop