若旦那様の憂鬱
入浴前に鏡でネックレスを改めてみる。

ああ、これは首輪みたいだなと思う。

ご主人様は花で俺は花の忠犬だ。
悪くないと思う。

俺は花に縛られる事を楽しみたい。
まぁ、既に出会った頃から知らないうちに、俺の心をがんじがらめにして離さない感はあるが。

本人はそれをまったく気付かず。
その魅力を結婚しても尚、振り撒いてくる。

その度俺は心乱され、振り回される。
それが嬉しいと感じる俺も大概だなぁと思うが、生きてる意味を感じられる。

彼女を守り愛しみ、幸せを与える事が俺の生きがいだと結婚してから、より強く実感している。

花はそんな俺の重い思いなんて気にせず、幸せに日々を楽しく生きて欲しい。
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