若旦那様の憂鬱
夜のドライブを楽しみ、到着したのは夢の国
夜間でも9時までやっているテーマパークだった。

「えっ!!今から夢の国?」

「ああ、ついでに言うと、今から入って明日1日ずっと夢の国だ。」

「えっ⁉︎凄い…園内のホテルで泊まれるの?」
こくんと、頷く柊生に思わず抱き付いてしまう。
「凄い!柊君ありがとう、夢見たい。」

「…今までに無い喜びようだな…。
こんなに喜ぶなら毎日でも連れて来てやる。」

「たまにだから嬉しいんだよ。」
ふふふっと笑って花が車から飛び出す。

「早く行こうよー。」
珍しく花から、柊生の手を取って先を急がせる。

嬉しそうな花を見て柊生も嬉しくなる。

「パレード始まっちゃうかなぁ?
何から乗る?ポップコーン何食べる?」
テンションマックスの花が珍しくて、ニコニコしながら柊生は付いて歩く。

「俺は学校でしか来たことがない。花にお任せするから好きにしてくれていい。」
パンフレットを花に渡す。

「私だって、修学旅行でしか来た事ないよ。」

花がいつの間にか腕を組んでくっついて来るから、柊生も知らずとテンションが上がる。

花はいつも人目を気にして外では離れて歩こうとするから、柊生としては寂しく思っていた。さすが夢の国だな。

これからは定期的に来ようと思った。
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