若旦那様の憂鬱
朝ご飯は、ひと口サイズのキッシュやオムレツ、厚切りベーコンやソーセージのワンプレートとフレッシュなサラダ。
何種類かの焼きたてパンは、好きなだけ食べれるように籠いっぱいに入っていた。

デザートにはキャラクターの形をしたプリンまで。

「凄い。朝から豪華だね。…こんなに食べれるかなぁ。」
ほぉーっと、私は驚いて机いっぱいの朝食を見渡す。

「今日は1日歩くんだから沢山食べろよ。」

2人でいただきますをして朝食を食べる。

今日も天気が良さそう。
少し開いた窓から爽やかな朝の風が吹き込んでくる。

「ホテルで泊まってる人はオープン30分前から入れるらしい。」
柊君がパンフレットを見ながらそう教えてくれる。

「そうなの⁉︎
じゃあ、早く支度しなくっちゃ。
今日は休日だから、きっと人気のアトラクションは2時間とか待たないと入れないよ。」

「そんなに待つのか?花、大丈夫か?貧血で倒れるタイプだろ。」
すぐに柊君は私の心配をしてくれる。

「あれは中学の時だけだよ。今は大丈夫だから…。」

全部制覇したいけど上手に回らないと時間がもったいよね。
マップを見ながらいろいろ頭で思案する。

柊君はそんな私を見て、

「なんだか楽しそうだな。花が考えてる事が手に取るように分かれば良いのに。」

楽しそうに笑う。

朝食を食べ終えたら、急いでシャワーを浴びて柊君が用意してくれた洋服を着なくっちゃ。
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