若旦那様の憂鬱

花の恋心

誰かを好きだなぁと思う瞬間は人それぞれで。

私の場合それは、

憎まれ口だったり、

意地悪を言って揶揄う仕草だったり、

時折見せる優しい笑顔だったりと…結局、要はその人の全てだったりする訳で。

あーあ、
今日も好きが降り積もる。

いっその事、雪のように溶けて無くなってしまえばいいのに。

このどうする事も出来ない恋心を抱え、庭に面した縁側の窓から、1人、ぼぉーと雪を眺めていると、ふいに後ろから声をかけられる。
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