彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.1】
「森川さん?」
「は、はい。えーっとそれはその……永峰取締役の秘書を下りるということでしょうか?」
社長がこちらを向いて話し出した。
「そうなるね。挨拶回りまでは君にお願いするつもりだったから、俊樹には何も言っていないんだ。見るからに君を気に入っているしね。実は業務部の新しい部長は三橋達也と言って、以前営業にいたんだが知ってるかい?」
知らないわけがない。三橋の名字だけでも有名なのに、イケメンで……そして確か社長の甥っ子だったような……。
「そう俊樹は私の妻の家系なんだが、達也は会長の孫、私の兄の子供だ」
つまり直系のサラブレッドといった感じだろうか。私は深呼吸して聞いた。
「どうして私……なんですか?」
会長が鋭いまなざしでこちらを見た。
「達也は経営者気質を継いだ逸材だ。業務部でこの会社の今後について学ばせた後、2年後には永峰君同様取締役に就任させて会社経営に参画させる予定だ。森川さん、君は業務部きっての逸材だと聞いていた。実務だけでなく、秘書もできる。達也の将来のために君をつけておきたい」
「……お褒めいただき光栄ですが、永峰取締役秘書の後任はどうなりますか?」
「は、はい。えーっとそれはその……永峰取締役の秘書を下りるということでしょうか?」
社長がこちらを向いて話し出した。
「そうなるね。挨拶回りまでは君にお願いするつもりだったから、俊樹には何も言っていないんだ。見るからに君を気に入っているしね。実は業務部の新しい部長は三橋達也と言って、以前営業にいたんだが知ってるかい?」
知らないわけがない。三橋の名字だけでも有名なのに、イケメンで……そして確か社長の甥っ子だったような……。
「そう俊樹は私の妻の家系なんだが、達也は会長の孫、私の兄の子供だ」
つまり直系のサラブレッドといった感じだろうか。私は深呼吸して聞いた。
「どうして私……なんですか?」
会長が鋭いまなざしでこちらを見た。
「達也は経営者気質を継いだ逸材だ。業務部でこの会社の今後について学ばせた後、2年後には永峰君同様取締役に就任させて会社経営に参画させる予定だ。森川さん、君は業務部きっての逸材だと聞いていた。実務だけでなく、秘書もできる。達也の将来のために君をつけておきたい」
「……お褒めいただき光栄ですが、永峰取締役秘書の後任はどうなりますか?」