彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.1】
「はい。わかりました。何でもおっしゃって下さい。出来る範囲でお支えします」

 彼は、私の返事を聞いてうなずいた。
 
「あと、昼飯をここで達也君と取ろうと思う。いいかい?」

 三橋部長は呆れ顔で彼を見るとつぶやいた。

「私のスケジュールは無視ですか?……わかりました」
 
「森川さん、お隣に頼んでいつものランチ出前二人分頼んどいて」

「かしこまりました」

 頭を下げて部屋を出た。私はきっとこのまま彼のものとなるのだろう。

 部長秘書はおそらく立ち消えになるだろうと確信した。

 彼の仕事のすごさを目の当たりにしながら、私のためだとするならば私自身の考えも改める時期にきているのだろうと思った。

 そう、彼の鎖に繋がれる覚悟だ。

 
 
 
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