彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.1】
side 俊樹
「さあ、達也君……本音で話すとしようか。会社の利益になる話だ。業務部のほうの根回しは君に頼みたい。もちろん今まで営業にいたんだからそちらの助けも頼もうかな」
「わかりました。さすが俊樹さん。でも頼みますよ、社内ではかなりの評価を得ている森川さんを独り占めしている。仕事の時くらい貸して下さい」
「申し訳ないが、彼女を誰かに貸すことはない」
「いずれ、俊樹さんは氷室へ帰るとわかっているし、彼女をそちらに連れて行くことはなかなか難しいんじゃないんですか」
「だから、彼女を俺の元から奪って、今後ずっと使いたいと?」
「もちろん、彼女の能力を買っているからです。彼女にも言いましたが、プライベートでの彼女に興味はない。安心して下さい」
目の前の食事をしながら、笑みをうかべつつ達也を見る。昔から口がうまい男だ。そう言ってくることはわかっていた。
「森川さんに関しては、僕がどこに行こうと付いてきてもらうつもりだ。それに関しては絶対譲れない。誰に何を言われても阻止する。例えば君のアノ大事な人が僕の秘書になるといったら、君は了承するのかい?」
達也が箸を止めて、こちらを凝視する。おお、目の色が変わった。見たことか、お前の弱みもわかっている。
「違う仕事をしています。彼女のことを……調べましたか?」
「君の大事な人の存在は知っていたよ。申し訳ないが、会長と話すときは君のことが必ず話題にあがる。もちろん結婚のこともね。会長がやきもきしているのも知っているから」
「そうですか……どうやら私は俊樹さんを優しいお兄さんだと勘違いしていたようだ。敵に回すとこんなにまずい人だったとは思わなかったな」
「わかりました。さすが俊樹さん。でも頼みますよ、社内ではかなりの評価を得ている森川さんを独り占めしている。仕事の時くらい貸して下さい」
「申し訳ないが、彼女を誰かに貸すことはない」
「いずれ、俊樹さんは氷室へ帰るとわかっているし、彼女をそちらに連れて行くことはなかなか難しいんじゃないんですか」
「だから、彼女を俺の元から奪って、今後ずっと使いたいと?」
「もちろん、彼女の能力を買っているからです。彼女にも言いましたが、プライベートでの彼女に興味はない。安心して下さい」
目の前の食事をしながら、笑みをうかべつつ達也を見る。昔から口がうまい男だ。そう言ってくることはわかっていた。
「森川さんに関しては、僕がどこに行こうと付いてきてもらうつもりだ。それに関しては絶対譲れない。誰に何を言われても阻止する。例えば君のアノ大事な人が僕の秘書になるといったら、君は了承するのかい?」
達也が箸を止めて、こちらを凝視する。おお、目の色が変わった。見たことか、お前の弱みもわかっている。
「違う仕事をしています。彼女のことを……調べましたか?」
「君の大事な人の存在は知っていたよ。申し訳ないが、会長と話すときは君のことが必ず話題にあがる。もちろん結婚のこともね。会長がやきもきしているのも知っているから」
「そうですか……どうやら私は俊樹さんを優しいお兄さんだと勘違いしていたようだ。敵に回すとこんなにまずい人だったとは思わなかったな」