彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.1】
「そんなことは心配することじゃないと言ってあったろ、菜摘」
彼が、私の方を向いて口を挟んだ。
すると、京子さんが身を乗り出して私に話かけた。
「森川さん。私はたまたま会社経営者の娘でしたが、小さな会社です。喫茶店だって、経営者が必要で森川さんのお父様が経営なさっているんですよね。私と全く違わないですよ」
「そうだ、菜摘のところはチェーン店になるかもしれないだろ。お兄さんも別なところで二号店をやっているんだろ?」
「兄が祖父のいる一号店を継いで、父が二号店を出しているんです」
氷室専務がうなずいた。
「経営能力があるのだろう。それなら心配ないよ。母は俊樹に弱い。俊樹が自分で決めた相手なら両親はすぐにいいというだろう。見合いは俊樹に相手がいないから、退屈しのぎに母が選んでいたにすぎないんだ」
「私もお母さまを説得するから任せてちょうだい、森川さん」
京子さんと部屋を後にし、別部屋で色々と氷室家の話を伺った。
その間に、兄と弟は仕事の話をまとめたようだった。
彼が、私の方を向いて口を挟んだ。
すると、京子さんが身を乗り出して私に話かけた。
「森川さん。私はたまたま会社経営者の娘でしたが、小さな会社です。喫茶店だって、経営者が必要で森川さんのお父様が経営なさっているんですよね。私と全く違わないですよ」
「そうだ、菜摘のところはチェーン店になるかもしれないだろ。お兄さんも別なところで二号店をやっているんだろ?」
「兄が祖父のいる一号店を継いで、父が二号店を出しているんです」
氷室専務がうなずいた。
「経営能力があるのだろう。それなら心配ないよ。母は俊樹に弱い。俊樹が自分で決めた相手なら両親はすぐにいいというだろう。見合いは俊樹に相手がいないから、退屈しのぎに母が選んでいたにすぎないんだ」
「私もお母さまを説得するから任せてちょうだい、森川さん」
京子さんと部屋を後にし、別部屋で色々と氷室家の話を伺った。
その間に、兄と弟は仕事の話をまとめたようだった。