彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.1】
それは突然だった。
「……菜摘。僕と結婚してくれる?」
ポケットから出したリングケースを渡され、驚く。
中央には輝くダイヤ。想像以上の大きさでまぶしくて直視できない。
「俊樹さん……。びっくりした……でもありがとう、とても嬉しいです。こんな私で良ければ、よろしくお願いします」
びっくりしたのもあり、気づくと頬を涙が伝っていた。彼が私の前にハンカチを出した。受け取ると頬の涙を拭う。
「あさっての日曜日、両親へに会いに行こう。約束を取り付けてある。昼ご飯を一緒に食べるけど、三時頃に兄夫婦が合流する。今回のことをきっかけに父から僕の退社と出来れば菜摘も一緒に氷室商事へ移ることを話し合うためだ」
この間専務ご夫妻と話していたこと、もう進んでいるんだ。相変わらずやることが速い。
「そちらはいいとして、そんな簡単にこちらの会社を辞めるなんてできるの?」
「もちろん、ミツハシの担当は俺にしてもらうので、しばらくはどちらの仕事もしながらということになるだろう。氷室へ逆出向という形も最悪の場合は受け入れて、いずれ戻る形にする。すべては会長次第だな。ただ、達也のことを父が助けるという条件ならあっという間に決まるだろう」
「……菜摘。僕と結婚してくれる?」
ポケットから出したリングケースを渡され、驚く。
中央には輝くダイヤ。想像以上の大きさでまぶしくて直視できない。
「俊樹さん……。びっくりした……でもありがとう、とても嬉しいです。こんな私で良ければ、よろしくお願いします」
びっくりしたのもあり、気づくと頬を涙が伝っていた。彼が私の前にハンカチを出した。受け取ると頬の涙を拭う。
「あさっての日曜日、両親へに会いに行こう。約束を取り付けてある。昼ご飯を一緒に食べるけど、三時頃に兄夫婦が合流する。今回のことをきっかけに父から僕の退社と出来れば菜摘も一緒に氷室商事へ移ることを話し合うためだ」
この間専務ご夫妻と話していたこと、もう進んでいるんだ。相変わらずやることが速い。
「そちらはいいとして、そんな簡単にこちらの会社を辞めるなんてできるの?」
「もちろん、ミツハシの担当は俺にしてもらうので、しばらくはどちらの仕事もしながらということになるだろう。氷室へ逆出向という形も最悪の場合は受け入れて、いずれ戻る形にする。すべては会長次第だな。ただ、達也のことを父が助けるという条件ならあっという間に決まるだろう」