彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.1】
「渋谷、お前本当にいい加減にしてくれ。お前は部下でしかない」
「巧先輩。そんなこと言って、お前は菜摘よりも口答えせずに何でもやってくれるから助かるってさっきも言ってたし」
は?聞き捨てならない。巧の耳をつかむと、イテテと悲鳴を上げた。
「菜摘、たまには飲みにいこうぜ。連絡くれよ。こっちの忙しい時期は把握してるだろ」
「……確かに。そうね、月中ならそっちもイベント後だから大丈夫かな」
「おお、多分」
なぜか、社食に永峰取締役の姿が見えた。今日は確か外で食べてくるって……。こちらを見ると、真っ直ぐ進んでくる。何?午後の外出の書類?頭の中で急速に仕事の内容を思い出す。
「森川サン、食事終わったらすぐに部屋へ来て。外出の書類足りないもの出してほしい」
じろっと、巧達を見たと思うと急に例の笑顔になり話しかける。
「イベント楽しみにしてるから、2人ともしっかり頼んだよ」
「「はいっ!」」
ふたりは声をそろえて返事した。
「はあ……永峰取締役、今日も素敵ですね。でも、巧先輩のほうが若くてかっこいいです」
巧をちらりと見ると赤くなって嬉しそう……。私は残りの唐揚げを口に入れると、お茶を飲んだ。
「じゃあね、ふたりとも。お先」
「身体気をつけろよ」
「ありがと。あなたもね」
巧、あんなことがあったのに相変わらず優しいな……彼に笑顔で返した。睨まないでよ、奈々ちゃん。巧とは今更どうにもならない。理由は公表できないけれど……。
「巧先輩。そんなこと言って、お前は菜摘よりも口答えせずに何でもやってくれるから助かるってさっきも言ってたし」
は?聞き捨てならない。巧の耳をつかむと、イテテと悲鳴を上げた。
「菜摘、たまには飲みにいこうぜ。連絡くれよ。こっちの忙しい時期は把握してるだろ」
「……確かに。そうね、月中ならそっちもイベント後だから大丈夫かな」
「おお、多分」
なぜか、社食に永峰取締役の姿が見えた。今日は確か外で食べてくるって……。こちらを見ると、真っ直ぐ進んでくる。何?午後の外出の書類?頭の中で急速に仕事の内容を思い出す。
「森川サン、食事終わったらすぐに部屋へ来て。外出の書類足りないもの出してほしい」
じろっと、巧達を見たと思うと急に例の笑顔になり話しかける。
「イベント楽しみにしてるから、2人ともしっかり頼んだよ」
「「はいっ!」」
ふたりは声をそろえて返事した。
「はあ……永峰取締役、今日も素敵ですね。でも、巧先輩のほうが若くてかっこいいです」
巧をちらりと見ると赤くなって嬉しそう……。私は残りの唐揚げを口に入れると、お茶を飲んだ。
「じゃあね、ふたりとも。お先」
「身体気をつけろよ」
「ありがと。あなたもね」
巧、あんなことがあったのに相変わらず優しいな……彼に笑顔で返した。睨まないでよ、奈々ちゃん。巧とは今更どうにもならない。理由は公表できないけれど……。