俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 ためらうように城ヶ崎は優羽の手を握る。優羽はきゅっと握り返した。
「俺は最初を間違えた。優羽、俺の彼女になってくれ。そう言えばよかった」
(すっごく俺様!)

 けれど、澄ましたような顔で何もかもを分かっている、というような表情をされるより、今のまっすぐな城ヶ崎の方が優羽は好きだ。

「うん。そうだね」
「なってくれるか?」
「ん……うん」

 優羽が城ヶ崎にでも、城ヶ崎が優羽にでもなく、二人の顔が自然に近づいてそっとその唇が重なった。

「ここって優羽の家の近くなんだよな? 俺、優羽の部屋に行きたい」
 耳元で囁くように言われて優羽の胸が大きくドキンと音を立てた。

 思わず城ヶ崎を見てしまうと、城ヶ崎はその瞳に熱情と甘さと劣情を乗せ、とてつもない色香が溢れ出ていた。

 ──抱くから。
 そう言われているようにも感じるのに、いやとかダメとか言う選択肢は優羽にはなかった。

「昂希くんのお部屋と比べるととても狭いけど……良かったら来る?」
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