俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 気持ちが近づいたと思ったら自然に名前で呼べていた。今日は俺の彼女だと言われた時はあんなに抵抗があったのに。

「ん。すげー行きたい」
 とても嬉しそうな顔の城ヶ崎を見て、間違っていなかったんだと優羽は安心する。

「なんか俺手加減できないかも……」
「明日仕事じゃないの?」
「車で来て良かった」
 にっこりと笑った城ヶ崎の目が妙に冷静で優羽はちょっとだけ背中がぞくっとした。

(あ……あれ? 私大丈夫かな?)
 車を優羽のマンションの近くのコインパーキングに停めて、降りると城ヶ崎が優羽に向かって手を差し出した。

 優羽はその手を取る。手を繋いだまま優羽のマンションに向かった。
 その間もドキドキと大きく胸が音を立てるのを優羽には止めることができない。

 いつもなら不敵で余裕な表情しか見たことのない城ヶ崎もなんだか神妙な顔をしていて、口数が少なかった。

「誰かの家に行くのにこんなに緊張したことはない」
「なんか、私まで緊張してきちゃったわ」
 エレベーターに乗ると、城ヶ崎は強く優羽を抱きしめる。
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