俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「ほら、来いよ」
 手を伸ばされて優羽はそっと湯船に入る。
 ざあっと音を立てて、湯船からお湯が流れていくのを優羽は見ていた。
(こ、これはこれで恥ずかしいかも)

「俺、やることはやってたとは思うんだが……」
 優羽の後ろから城ヶ崎が囁いてくる。

 なにを聞かされているんだろう……。
「恋愛、はしてこなかったかも」

 はぁ……と後ろから聞こえてくるため息に、つい優羽は後ろを振り向いてしまった。
「え?」

「好きとか、愛おしいとか嫌われたくないって気持ちは分からなかった。こんな気持ちを持ったのは優羽だけなんだよな」
 苦笑している城ヶ崎に優羽の胸はきゅんとする。

「全部がほしいなんて、思ったことなかった。一瞬たりとも離れたくないとか思いつきもしなかったよ」

 城ヶ崎が優羽を見る目がまっすぐでとても優しい。その口から語られる告白はとても熱烈な気がする。
 恥ずかしいけど、嬉しい。
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