俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「そう、なんだ」
「優羽は俺のこと全部知ってるだろう? 別に肩書きに惹かれたわけでも、見た目に惹かれたわけでもなくて、俺のずるいところやダメなところも知っててちゃんと俺を好きになってくれた。それってすげー……滾る」
 たぎ……?

「全部がほしいの分かるって言ったよな?」
 にこりと笑う笑顔に黒さを感じるのはなぜだろうか。

「い、言った……かな?」
「うん。言った」
 ちゃぷっ、とお湯の揺れた音がなぜかとても耳に響いた。

 きらりと目を光らせた城ヶ崎が優羽の肩に触れる。
「寒い?」
 優羽はふるふるっと首を横に振った。むしろ先程からの城ヶ崎の熱さに湯あたりを起こしそうなくらいだ。

「白くて、綺麗な肌。今日はもう遠慮しないから。俺の優羽だ」
 そう言って城ヶ崎は優羽を抱きしめる。素肌同士が触れ合って擦れ合うその感触に優羽の胸がドキドキする。

 城ヶ崎が優羽の頬に触れて、そっと顔を持ち上げた。気づいたら顔がとても近づいていて、緩く舌が絡まる。
< 109 / 284 >

この作品をシェア

pagetop