俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「これ以上したら、もっとしたくなるから。今はここまでにする。また連絡する」
 するりと頬を撫でて、甘い笑みを残して城ヶ崎は帰っていった。

 ──こ、恋人の昂希くんってあんなに甘いの?
 残された優羽は顔を赤くして、玄関に立ち尽くすことしかできなかった。
 今別れたばかりなのに、もう会いたいなんて、おかしいだろうか。


 後日、金曜日に会おうと城ヶ崎が指定してきたのはホテルの上階にあるレストランだった。

 いつも城ヶ崎が連れていってくれるのは、ラグジュアリーな店が多いな……と思っていたら、追加のメッセージが到着する。

『そこの支配人は今、岡本だぞ』
 それは高校の同級生の名前だった。どうやら同級生のお店なので予約をしてくれたらしい。

 接点はあまりなかったはずだが、岡本はサッカー部かなんかで割と目立つ存在だったと思う。目立つ存在だからこそ、地味な優羽とは接点がない。

 メッセージには優羽と行くことは言ってあるので、早めに着いたら話しているといい、というようなことまで書いてあった。
 気が利くというか、甘やかされているともいうのかもしれなかった。
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