俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 今の優羽が城ヶ崎を幸せにできるのかと言われると、そこまでの自信はない。

 ──難しいな……。
 優羽は軽くため息をついた。
「なんの話をしている?」
 低くその場に飛び込んできた声は城ヶ崎のものだ。

「嫌だなあ、昂希のことをほめていたのに。ねえ?吉野さん」
 優羽はこくりと頷いた。
「いいお話だった」
「余計なこと言うなよ」
 城ヶ崎は優羽の頭を撫でる。

 その時優羽は気づいた。レストランの中でものすごく注目を浴びている。ただでさえ、城ヶ崎は目立つのだ。

「席は?」
 岡本に聞く城ヶ崎はそんなことは全く気にしていないようで、優羽の頭を軽く撫でたあとは、ウェイティングバーの高い椅子から降りる優羽に手を差し出していた。

 とても自然だったので、優羽はその手に掴まる。
 岡本がふっと微笑んだ。
「今、案内させるよ」

 軽く手を上げ、近寄ってきたスタッフに岡本は声をかける。
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