俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「ご予約の城ヶ崎さん、案内してもらっていい?」
「かしこまりました」

 席に案内されると、城ヶ崎はさっさと注文を済ませ、優羽に尋ねる。
「なにを話していたって?」
「このホテルの話よ」
「ああ……わりとタチの悪い集団だったからな。実際ここでの乗っ取りが失敗したあと、逮捕されたらしいしな」

 なんとなくピンときた優羽だ。
「それって昂希くんも関わってるのでしょ?」
 一瞬だけ驚いた顔を見せた城ヶ崎はにやっと笑った。

「さあ? 俺は仕事をしただけだ。告訴告発っていうのは実は誰でもできるんだが、弁護士が対応すると警察や裁判所も丁寧だぞ」

 岡本は心から感謝していたので、本当に味方となれば心強いのだろうということは分かるが、どうにも腹黒策士感が否めないのはどうしてだろうか。

「岡本くんは昂希くんに幸せになってほしいって言ってたわ」
「ふうん? あいつ、俺のこと好きなのか」
 口ではそんなふうに言っているけれど、ワイングラスを口に運ぶ様子で照れているのだと分かった。
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