俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「きっと好きなんだと思うわよ」
 真顔で言ったらちょっと嫌な顔をするので、笑ってしまった。

「俺をからかうとは、あとで覚えていろよ」
 城ヶ崎ににやりと笑って返された。
 ──あれ?間違えた?

 食事の後はタクシーで、城ヶ崎の部屋に向かう。タクシーの中でも城ヶ崎は手を繋いでいた。

「ちゃんと、泊まるつもりで来てくれたんだな」
 優羽が持っている少し大きめの荷物のことだろう。スキンケアやメイク道具、明日の着替えなどが入っている。

 「あ……週末、一緒に過ごそうって言ってくれたから。そういえば寝巻きを忘れたかも」
 優羽は繋いでいた手をくっと引かれた。
 城ヶ崎の方にもたれかかってしまう。

「いらないだろ?」
 低く耳元で囁かれて、ぞくんとする。

「岡本に言われたこと、気にしてるんだろう」
 どきんとした。それは本当のことだったから。
 幸せになってほしい、なんてなかなか言えることではない。それほどまでに岡本にとって城ヶ崎は大事な存在なのだと分かったから。
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