俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 温かさに包まれてゆっくりと目が覚める。
 優羽が少し身動ぎするときゅっと抱きしめられる。
「ん……優羽、まだいいだろう?」

 耳元に囁かれる声と額に触れる唇。まだ寝ぼけているふうなのに、寝ぼけながらでも優羽を離す気配はなかった。
 その腕の中で優羽は顔を上げた。城ヶ崎はまだ半分寝ているようなのに、 それでいて端正さは損なわれることがない。

「寒くないか?」
 お互い裸のままで眠ってしまったので、肩に唇で触れて城ヶ崎は尋ねてくる。

「大丈夫」
「寒いと言えよ。温めてやるから」

 くすくすと笑う城ヶ崎の甘さは恋人への甘さなのだろうか。

「そんなこと言ってたらベッドから起きれなくなりそう」
「それもいいな」

 ぎゅっと抱きしめられると下半身に当たるものがある。男性の朝にそういう兆しがあることは知ってはいるけれど、こんなふうに露骨に触れるのは初めてで、優羽は戸惑ってしまった。

「あ……の、昂希くん……」
「んー? なんだ?」
 触れ合っているのは下半身だけではなく、ぎゅっと抱きしめられているから、全身が密着してしまっているのだ。
< 136 / 284 >

この作品をシェア

pagetop