俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 優羽の両親は優羽が姫宮商事に入社したことを心から喜んでくれた。
 そんな両親にクビになったとか、クビにはならずとも処分を受けたなんて話はしたくない。

「ゆっくり、話し合おうか?」
 妙に嬉しそうな、けれど決して逆らえない笑顔で城ヶ崎はにっこりと笑ったのだった。

 城ヶ崎に連れられて向かったのは、駅にほど近い有名ホテルの最上階にあるレストランだった。

「城ヶ崎です」
 城ヶ崎がクロークで声をかけると「お待ちしておりました」と頭を下げられる。
 中はシックなインテリアで高級感のある雰囲気だ。

「どうぞ」
 窓際の席を案内され椅子を下げられ、戸惑いつつ優羽は座った。ホールの中が薄暗いので、外の夜景が綺麗に見える。

 席に座る前に城ヶ崎がコートを脱いだ。そのスーツのカラー部分のホールには金色のバッジが一瞬見えたのだ。

 ──べ、弁護士なの!?

 頭の良かった城ヶ崎のことだ。驚きはしないけれど、そんな専門家が優羽のことを訴えると言っている。
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