俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「今はここまでな。理性で抑えるのには慣れてるが、優羽には乱される。それも悪くはないよ」
 あまりの甘さにどうすればいいのか分からない。

 ただ、優羽はすり抜けようとした城ヶ崎のジャケットの後ろをきゅっと掴んだ。
「ん? どうした?」
「大事にしてくれてありがとう。大好きよ」

 城ヶ崎は一瞬目をみはって、ふっと笑った。
「ああ。優羽も俺の恋人を大事にしてくれたら嬉しい」

 先ほど、城ヶ崎はどこまで好きにさせたら気が済むのかと聞いたけど、それは全く同じ言葉を優羽も返したかった。城ヶ崎が大事だと思ってくれる自分を大事にする。悪くないと思った。

 ロビーまで降りて、城ヶ崎を見送り、優羽は総務部に戻った。隣の席の藤井が優羽に向かって笑いかける。
「吉野さんのおかげで美味しいもの食べれちゃいました。素敵な彼氏さんですね」

 優羽は素直に笑顔を返すことができた。
「そうなの」
 その優羽の返事にも藤井は嬉しそうだ。

「なんか彼氏に会いたくなっちゃいましたー。今度、私の彼にも機会があったら会ってくださいね」
「もちろんだわ」
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