俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 オーバル型の大きな机の周りには、背もたれ付の座り心地のいい椅子が置かれていた。

 受付から案内されて専用エレベーターを使用して二階に上がるとコンシェルジュと呼ばれている女性が案内につく。

 商社ゆえに海外からの来客もあるため三か国語以上話せる人材が配置されているのだ。

 優羽たちとの関わりはその応接室の備品管理だ。
 特に通常の社員用のベンダーとは違い、その応接室用のものはお茶にしてもコーヒーにしてもカフェで飲むものと遜色のないものが用意されている。

 そして会議の際に使用するプロジェクターなどは優羽たちが用意することもある。
 その日もコンシェルジュからヘルプで会議室の準備を頼まれた。

 優羽はコンシェルジュが管理している部屋の奥に置かれているプロジェクターを抱えて、会議室に向かう。

 壁際のスクリーンを下ろし、プロジェクターのスイッチを入れたところでコンシェルジュの「こちらです」と来客を案内する声が聞こえた。
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