俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「つまらない」

　端的に言葉が返ってきたが、それは以前にも優羽をひどく傷つけた言葉だった。それを思い出して優羽の顔から血の気が引く。

　目の前が暗くなりそうだが、この人の前で倒れるわけにはいかないと目を逸らし、ぎゅうっと自分の腕を掴みなおした。

「私は今お付き合いしている人がいるのよ。それは無理」
「だからあんな奴やめろって。それに向こうはうちの顧問弁護士なんだろう？　そんな優秀な奴、本気じゃないに決まってる。遊ぶなら俺にしておけば、と言ってるんだ。お互い遊びならいいだろう？」

「遊びなんかじゃないから」
　自分がこんなにきっぱり柴崎に向かって言えるなんて優羽は思わなかった。

　城ヶ崎はいつも優羽を大事にしてくれて護ってくれる。あれが愛される、付き合う、ということだ。
　あんなに真っすぐで温かくて甘くて、幸せな気持ちが遊びだなんて言われたくない。

「それにつまらないってなに？　柴崎さんはいつもそう言うし、私も前につまらないって言われたわ。そんな人とまた付き合うの？　柴崎さんが分からないわ」
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