俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「はい……」
 やっと出た声は絞り出すようなものだった。

 周りに護られている安心感は計り知れないものだ。
 ひとりで抱え込まなくていい。それはひどく優羽を安堵させるものだった。

 その中で城ヶ崎が暗躍してくれたことはほぼ間違いがないことを優羽は確信していた。

 その数日後異例人事の発令があったのだ。
 それは柴崎の譴責、そして営業課での任を解き関連子会社に出向を命ずる、というものだった。


 
 会社が終わってから優羽は城ヶ崎に通話する。普段はメッセージで済ませてしまうから、通話での発信には驚くはずだ。
 驚く早さで城ヶ崎は電話に出た。

『優羽!?』
「昂希くん、お疲れ様。あのね、お話があって。今日、家まで行っていい?」

『もちろんだ。嬉しいが、少し遅くなりそうなんだ。知っていたらもっと早くに切り上げるようにしたんだが……』
 急なことに城ヶ崎も戸惑っているようだ。
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