俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 すると、受付の女性が微妙な顔をしつつ、城ヶ崎を内線の電話口へと呼んだのだ。

「総務課の吉野をお呼びしたのですが、藤井が城ヶ崎様に変わって頂くようにと。よろしいですか?」
「ええ、もちろん」

 城ヶ崎は受話器を受け取る。
「城ヶ崎です」
『城ヶ崎さん、今日はお仕事ですか?』
「はい。どうして藤井さんなんです?」

『吉野さんは倒れて、今、救護室で休んでいます。それをお伝えしようと思って』
「優羽が?」

 先程までは間違いなく元気だったし、城ヶ崎にまで怒って見せていた優羽だ。
 急激に体調を崩すなど、なにか重大な病気なのだろうかとか、不安げな藤井の声などにいろんなことを城ヶ崎の頭の中を走り抜けた。

『エレベーター前で突然倒れたそうです。過呼吸で』
「過呼吸……」

 一時的に過度なストレスがかかった可能性があるが、その直前まで城ヶ崎の目の前にいたときはそんな様子はなかったのだ。
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