俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 姫宮商事の人事部からは今回の案件については、アドバイザーとして正式に依頼を受ける。
 アドバイザーとは言っているが、もしも訴訟などになればもちろんすぐに対応する立場として、だ。

 優羽が倒れたことだけではなく、それ以外にもかなりの事案があったことで、会社もそのままにしておくことは難しいと判断した結果だった。

 人事部とも連携を取りながら、例の法務部の女性に城ヶ崎は声をかけた。
「少し、お話がしたいんですが。例の件で」
「ええ。いつでもお話します」
「では、お時間頂けますか?」

 城ヶ崎に声をかけられた女性は浮かれて付いてくる。

「城ヶ崎先生、どちらに行かれるんですか?」
 ふっ、と笑った城ヶ崎は会議室のドアを開けた。
「こちらですよ」

 会議室にでも連れ込まれると思ったのだろうか。中に人事部の面々がいたことで、女性は入口で足を止めた。
「どういうことです?」
 キッと女性は城ヶ崎を睨む。
< 195 / 284 >

この作品をシェア

pagetop