俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「この前のお話、詳しくお伺いしたいと言いましたよね？」
　にこりと口元だけが笑った城ヶ崎の目は冷静でこの場から逃げるなど許さないという空気を纏っていた。

　◇◇◇

　外出から帰ってきた柴崎はその日人事部長からの呼び出しを受けた。
「突然呼び出しとかなんだろうな？」
　昇進にしては時期外れな気がする。

「さぁな？」
　同僚がやけにそっけないような気がしたが、もしも時期外れの昇進なのだとしたらやっかみがあっても仕方ない。

　それにまれにドロップアウトなどで席が開けば、時期外れでも人事が動くことがある。

　そういったものかもしれない、と柴崎は呑気に人事部の呼び出しに向かったのだ。

　呼び出された先は会議室で、柴崎がノックすると「どうぞ」と中からは部長の声が聞こえる。
　いつも表情のよく分からない人事部長の少し離れたところに、パソコンを目の前に置いた驚くほど顔立ちの整った男がいた。

（こんな社員いたか？）
　いれば話題になるはずだ。それほどに端正で整っていた。それは認めてもいい。
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