俺様弁護士は激愛を貫きとおす
「そうなの? すごいなぁ。そういえば生徒会室のパソコンとか勝手に触ったりしてたよね」
 話を始めたら昔に戻ったようにも感じる。城ケ崎も先ほどまでの尖ったような雰囲気はなく柔らかい気配になっていた。

「あいつが作ったツールも未だに使ってるらしいからな」
「なんか、先生のパソコンも触ったりしてたよね」

「そうそう、アイツいつかテスト問題にハッキングするんじゃないかと俺はいつもそわそわしてたよ」

 城ヶ崎は変わってしまったところもあって、しかもいきなり訴えるとか言われたので、最初優羽は警戒していた。

 けれど、こんな話をする城ヶ崎には屈託はなくて、楽しそうな表情などは変わらないように思える。

「城ヶ崎くんは人気あったものね。他校からも見に来てる人とかいて、大変だったわよね」
「そんなの学生の時の話だろ。それを言うなら優羽だって人気あったぞ」

「そんなことないよ」
「自覚がないところがね」
 そう言って城ケ崎は優羽をじっと見る。

 学生の時もこんな風にまっすぐに見られることはなかった。
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