俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 その人は一緒にいた人に先に行っていて、と指示を出し、優羽に向き直った。

「もしかして、昂希の大事な人かな?」
 優羽は思わず赤くなってしまう。

 大事な人かと聞かれて自分から、そうですと言うのはちょっと恥ずかしい。

 それに「昂希」と呼んだ。上司なのかもしれないけれど。顔を上げて優羽はじっとその人を見た。
 彼はにこりと笑う。

「ここの事務所の所長で昂希の叔父の片桐と言います」
(お……叔父っ!? 親戚? 言われてみれば似てる! けど……)

 慌てて優羽は丁寧に頭を下げる。
「昂希さんとお付き合いさせて頂いています。吉野優羽と申します。すみません、こんなところで親戚の方にお会いすると思わなくて……」

 そして手にしていたお菓子の紙袋を片桐に渡した。どちらにしても事務所の皆で食べてもらおうと思ったものだ。

「こちら、お口に合えばいいんですけど」
 受け取った片桐はその紙袋を見て笑顔を見せる。

「あ! ここ有名ですよね。昂希にではなくていいのかな?」
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